フォークリフト免許取得体験記 Ver4.91ツイート |
はじめに…
これは、当時、持っている車系の資格は普通自動車免許(AT限定(ToT))だけだったという男がフォークリフト免許※1を取得した記録です。一般的に「フォークリフト免許」と俗称で呼ばれているものは、フォークリフト運転技能講習を全て受講して試験をした後にもらえる「フォークリフト運転技能講習修了証」のことです。普通自動車の運転免許証とは性質の異なるものと考えておいた方がよいです。(現在は限定を解除してMTも運転出来る免許になっています。)
などの情報を知ることができます。
講習を受けた場所はあえて書きませんが、監査が時々入るそうなので、どこの教習機関でも教習内容はあまり変わらないと思います。(神奈川県とだけ言っておきます……でも調べたら沢山あるなぁ)
私が受講したのは、「普通自動車免許(AT限定もこれに含む)は持っているが、フォークリフトの実務経験は無い」という人の為の5日間の講習コースでした。
持っている資格やフォークリフトの経験 | 講習時間(H) | 講習日数※2 | 備考 |
---|---|---|---|
@大型特殊免許 | 11 | 2 | キャタピラ限定は不可みたいです。 |
A普通自動車免許・大型自動車免許・大型特殊免許(キャタピラ限定)の3つのうちのいづれか1つ+1t未満フォークリフト経験3ヶ月以上 | 11 | 2 | 以前に1t未満のフォークリフト等の特別教育※3を受けてないとダメですよ。(・∀・) |
B1t未満フォークリフトの実務経験6ヶ月以上(免許は何も無し) | 15 | 3 | 以前に1t未満のフォークリフト等の特別教育※3を受けてないとダメですよ。(・∀・) |
C普通自動車免許(フォークリフト運転経験なし) | 31 | 5 | 私はこのコースでした(´∀` ) |
D免許も運転経験も何も無し | 35 | 5 |
※1 正確には「免許」ではなく「フォークリフト運転技能講習修了証」であるが、一般的には免許と呼称することが多い。
※2 講習日数は教習所によって1日に講習する時間が違う為、講習場所によって多少違ってきます。
※3 フォークリフトの特別教育とは1t未満のフォークリフトが乗れるようになる安全教育です。教習時間は12時間(2日間程度)です。
注:もちろん講習コースによって免許取得にかかる費用と時間が全然違ってきますので、上表に該当する資格やフォークリフト経験持っていたら申込み時にちゃんと申請しましょう。
だだ、上表でいうフォークリフト経験とは、
以前に教習所等で特別教育を受けて運転資格を取得した後、1t未満のフォークリフトで業務をしている(していた)
という意味です。また、1t以上のフォークリフトになぜか(´ー`;)6ヶ月以上乗った経験があったとしてもここでいう経験にはなりません。(というか違法です(´ー`;))ただ、きちんと特別教育を受け、1t未満フォークリフトを業務で3ヶ月以上経験してから1t以上のフォークリフトの技能講習受けるって人意外に少ないような気が…。(´∀`)明らかに経験者のように操作がうまいのにCDのコースで教習してる人も結構いましたので…。フォークリフトの経験を証明するのは勤務先の会社の承認(事業主証明)ですので、なんらかの事情によりこの辺でひっかかってCDコースになる人も多いのではと勝手に推測…。
尚、教習時、私は風邪気味でしかも毎日5時起き※4の生活で時々朦朧として(´ー`)いたので教習内容等で細かい部分に若干の間違いがあるかも知れませんが、ご了承下さい。大筋では間違いありません。
それから私は3月頃に突然思いつきで取りましたが、この時期はなぜか混んでいました。また、教習は基本的にどの教習所でも野外のところが多いと思うのであまり寒くも暑くもない季節に受講した方が楽だと思いました。朝から夕方までの教習が連日ですから意外に体にこたえますよ。防寒対策はいつも以上にしっかりしておきましょう。毎日野外でガンガン仕事して稼いでる方はこんなことへっちゃらですね。失礼しました。(^-^;)
私の様に不器用で要領が悪く、下準備がたくさん必要な人の為にこのページを作成しました。この教習体験記を読んで「免許取ってみようかな…」と思った方がいたら、下のリンク先から教習所を見つけて行ってみて下さい。
実際に免許を取りに行ってココは違うだろうとか、ここの教習所ではこうだったとかのメールを頂けると、このページのバージョンも上がり、より正確で役に立つものになってありがたいです。
必要があれば、できるだけ修正や加筆を行おうと思います。ご協力お願い申し上げます。
※4 当たり前にこの時間に毎日起きて生活してる方すみません(^_^;)
ネットにていろいろ情報を探って操作全般の知識を頭に入れた。前にいた会社で1tぐらい(未満かな?)のフォークにほんのちょっぴり乗らされていたので(無理やり)、めずらしくすんなり頭に入った。今回はギヤーが一本(下図F)多いだけかな…)
↓教習所で使用されるであろう一般的なフォークリフト(MT:マニュアル)の例
|
カウンターバランス型フォークリフト ↑このフォークを上から見た図です。 |
□ 運転時の姿勢 左手でハンドルの取っ手※をつまんで持ち、右手はABレバーの上に軽くのせておく。 ※ ハンドルにはナベのフタの取っ手みたいなツマミが付いています。 ↑ハンドルを横から見た図 |
☆フォークリフトの実物を間近で見たい方はこちらのページへ(ヤフオクに出品されているフォークリフトの画像)
いわゆる一般的な普通の形のフォークリフトはカウンターバランス型というらしい。日本のフォークの8割がこのタイプらしいです。
※ オートマ(AT)のフォークを使用できる教習所もあるようです。免許をもっと楽に取るならそこで取ったほうがいいかもしれません。ただ、現場ではまだMTのフォークを使ってるところも多いようなので、後で乗るか今乗るかという感じでしょうか…。
@サイドブレーキ | 手前に引くとブレーキがかかる(普通自動車と同じです) |
Aリフト昇降レバー |
手前に引くとツメが上がる、逆で下がる。 Flashを見られる環境をお持ちの方はこちらでアニメーションにて動作を確認できます。 |
Bティルト(傾斜)レバー |
手前に引くとツメが上向きになる。逆で下向き。 ツメ自体が傾斜する訳ではなくマストが傾斜して爪の角度をだす。 Flashを見られる環境をお持ちの方はこちらでアニメーションにて動作を確認できます。 |
Cクラッチ | ※5 |
Dブレーキ | ※5 |
Eアクセル | ※5 |
F高低速レバー | 真ん中がニュートラ(スタート時)で、ハンドル側に倒すと1速、ニュートラにして手前いっぱいまで倒すと2速※6Flash有 |
G前後進レバー | 真ん中がニュートラ(スタート時)で、ハンドル側に倒すと前進、ニュートラにして手前いっぱいまで倒すと後退。Flash有 |
Flashを見られる環境をお持ちの方はこちらでアニメーションにてフォークリフトの発進から停車までの操作方法を確認できます。
エンジン始動から前進、停車、バック、停車、エンジン停止までのレバー操作の流れを説明しています。
※5 これらの操作が分からない人はクラッチ操作方法のページで基本が分かる(ハズ(´∀`;)文章が分かりにくいかも…)です。
※6 教習時には1速しか使いません。
教習所で知ったのだが、この操作レバーなどの配置などに決まりはないらしく、メーカーによって若干違ったりする。(が、教習車は大抵が上図だと思うし、日本におけるTOYOTA製フォークリフトのシェアはかなり多いようなので、この配置で覚えておけばかなり有効だと思います。実務、教習共に…)
一部の他メーカーでは役割は同じだがギヤーの配置(ABやFG)が左右逆になっていたりする。(たしか(´ー`) )
会社などが、フォーク買い換え時にメーカー乗り換えを防止する為の差別化だと思うが、これは危険だと思った。(事故の一因になっていると思う)
あと、驚いたのがクラッチ。いきなりブレーキだけを勢いよく踏んだりしないかぎりまずエンストしない。エンジンに詳しい人に言わせるとトルクが太い(強い)らしい。ただ、純粋に走行だけしている時はクラッチから足を完全に離しておかないと教官に怒られます。(てゆうか試験時減点対象)←でもどうしても半クラやっちゃうんだよね。極端にいうとアクセルは使わずに「クラッチ離す」−「走行」−「クラッチとブレーキ踏む」−「停止」の繰り返しでも教習はできます。(長い直線はアクセル踏みましょうね)
上記の他にもいろいろな形式のフォークリフトがあり、ペダルやレバーの配置や数が若干違ってきます。
クラッチ式 | 今回教習で使ったいわゆるMTフォークリフトです。 |
トルクコンバータ式 | 教習所で使用するオートマフォークはこの形式の事かな…。クラッチ式とほとんど変わらないようです。(クラッチペダルがインチングペダルに変わる)インチングペダルは変速機をニュートラにし同時にブレーキもかかるので微妙な速度調整が必要な時に使用するようです。その他レバーの配置や数は今のところ不明です。情報下さいm(__)m。 |
蓄電池式(バッテリー式) | バッテリー式で教習している教習所はあるのだろうか…。情報下さいm(__)m。このフォークリフトには、カウンターバランス形とリーチ形があります。カウンターバランス形は、車体が今回教習で使ったものと同じで、上表CFレバーがなく、Gレバーがハンドル右脇に床面と水平に付いているようです。リーチ形は上図と、車体・レバー・ペダルの配置・操作方法などがかなり変わりますが、この記事では説明を省略します。(要望が多ければ掲載予定?) |
風邪気味で教習に突入。フォークリフト運転技能講習について、ネットで調べて下記の情報は知っていたので、気負いなく教習所に到着。
( ´∀`)後で聞いた話ですが、試験があることを知らず携帯と睡眠に耽っていた若者が居て後でパニくっていたそうです。大物だ……。
教習内容は、教室にて配布されたテキストを開きながら教官が説明、ビデオ鑑賞、またテキストの繰り返し。これはこれで疲れた。
やっと講義が終わり、試験になったのでチャッチャと終わらして帰るかと思ったのだが、体調が悪いのと出題の形式が数個の解答から間違いを1つ選ぶというものだったので意外に手こずった。そのうち早く終了した人が一人、二人と席を立ちはじめ、ちょっと焦る。
何とか終わらせ、不安な箇所もあったが「合格すればいいや」と思い提出。1、2問間違えたようだがOKだった。こんなもんだろう。
この教習所ではマークシートでの試験でしたが、他のところでは○×のところもあるようです。(´∀`)いずれにしてもまず落ちることはないでしょう。教室で寝ていた方も最終的には合格したみたいなので……。多分、遅くまで補習したことでしょう。
※7 教習一日目では無く、最終日に学科教習を行うところもあるようです。
今回私が配布された教本※8ですが、この本は書店でも手に入ります。内容はこのページとかなりカブリますが、フォークリフトの操作方法から数式を使った荷物の質量の計算、試験コースの法令による定義まで図入で詳しく載っています。説明に図も豊富に使われています。教習に通う予定はないが、アカデミックにフォークリフトを勉強したい方(´∀`)にお勧め。店頭にはまず置いてないと思いますので、ネットでの購入がオススメです。
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※8 全国全ての教習所がこの教本を使用して授業を行う訳ではないそうです。
今日からは実技の講習である。だいぶ早めに教習所についたのでいろいろ探索(^v^)。クレーンなどの重機も置いてある。ワクワクドキドキ。こんな間近で操縦席も見られるのは一生に一度ではないかとも思う。フォークリフトも見てみる。1.5tのフォークらしい。前の会社で乗ったものよりちょっと大きいと感じた。この大きさなら何とかなる…かな、とも思った。それから、講習時の服装ですが、みんなバラバラでした。別に特別汚れるような作業もないので動きやすい格好なら問題ないでしょう。作業着でなくても全然問題ありませんでした。(少なくともココでは…)履き物はスニーカーとかが無難でしょうね。あと、実技の講習では教習所から貸し出されるヘルメットをかぶります。(ヘルメットと頭の間にかぶる清潔帽子と呼ばれる紙で出来た帽子もくれます。)
1グループ9人ぐらいづつに分かれ、期待と不安の入り交じる中教習開始。ツメにはパレットがあらかじめさされており、ツメ自体の操作はいっさいなしで走行のみ。初日だからあたりまえか。私は緊張すると人の言うことをちゃんと聞かないという悪癖がある。フォークに乗るとき取っ手を持たず、右足から乗り(ココ参照)教官に怒られる。(そういえば確か乗り方を説明してくれていたような(´ー`)) とにかく乗ってみた… ハンドルの感覚は前の会社のフォークとそんなに変わりない。乗ってみるとやはり車体がより大きく感じた。教官がパイロンを2つ離して置きそのまわりをぐるぐる0字にまわる。パイロンでターンするときの減速でエンストが怖くてクラッチを踏んでいたら教官にまた注意される。やってみれば分かるが、クラッチを踏むのは停車時かそれに近いギリギリの状態でいい。普通自動車に乗っている、もしくはフォークリフトに少しでも乗ったことがある人ならエンストはまずない。なるべくパイロンギリギリに車体をつけてターンするようにと言われる。ぐるぐる回ってたらだんだん慣れてきたのでアクセルも少し強めに踏んでみる。固い(ToT)。ついでにクラッチも固い。体調が悪いせいかよけい堅く感じた。ともあれこの程度の走行ならオートマ気分だ。楽しい。エンストもしないし。(結局、最後まで一度もエンストしなかった)この教習では前進走行と後進走行を行った。 下手のくせに「楽勝楽勝」と思っていると… S字走行に突入。パイロンを5、6個等間隔に置き、その間を前進でハンドルを右と左にきって抜けていく。(後進走行もあり)こんなのできるかなと思ったがゆっくり走行すればなんなくOK。同じグループ(9名)でもパイロンをちょっと踏んだりした人もいたが私はほとんど踏まなかった。後進しながらのS字走行はちょっと苦戦した。ハンドルの遊びが大きいのでたまに一瞬どちらにタイヤが向いているのかわからなくなるのだ。(´ー`)ダメダナァ… ( ´∀`) < パイロンではなくこれを使って教習するところも多いようです。 |
O字、S字走行共にa側、b側から発進する教習がある。これに前進、後進(バック走行)も加わるので8種類の走行パターンを教習したことになる。 O字走行(前進):aから出発した場合→ずーっと前進→パイロンでターン→ずーっと前進でbへ→パイロンでターンしてaで停車 S字走行(前進):aから出発した場合→前進しながらハンドルを右、左、右、左の順にきっていきパイロンをよけ走行→ハンドルを右に切り一番奥のパイロンでターン→あとは同様にハンドルを左右に切ってパイロンをよけながら走行しbを抜けて、パイロンをターンしてaへ |
講習は、時期にもよるのだろうが、私の場合は9人ぐらいを1グループにしていた。1グループに1台、車があてがわれる。初めに教習内容をあらかじめ教官がフォークを運転しつつ説明する。で、順番に教習生が一人ずつ乗り、残りの人はたまにそれをみながら参考にしたり笑ったりしてひたすら自分の順番が来るのを待つ。(´ー`)はずかしいけど下手な人も結構いるので楽しいものだ。(最終日までこの繰り返し)
朝5時起き&風邪気味&寒風吹きすさぶ中ほとんど野外という好条件(´ー`)がかさなって帰りの時刻にはクタクタ。
ヘロヘロになりながら「AT」の軽自動車を運転して帰った。(帰りの運転中、普段使わない左足の疲労に限界が来てつりそうになったのは言うまでもない。クラッチ固いんだもん…(´ー`))
この頃が風邪のピークだったような。そのため、教習内容も日にちの間違い等があるかもしれないけど、教習内容の流れはこの順番(下記)であってます。いい加減ですみません。(´ー`)
また5時起きしたが、かなり早く着いてしまった。でも私は個人で費用を出して受講しているので失敗は許されない。かなり慎重に通う必要があった。教官や同じグループの人から聞いたのだが、一度でも休んだり遅れて来たりするとまた学科(1日目)からやり直しなのだそうだ。同じグループの人で、仕事の都合から1時間ぐらい遅れてきた人がいたが、その人はなぜかOKだった(´ー`)。教官によるのか、それとも会社から事情説明の電話が入ったのかよく分からないが、例外もあるようだ。基本的にはダメらしい。
前半は昨日の教習の続きをやり、それからあたらしい教習内容に移った。重量物(0.5t程度)をパレットを使わずフォークのツメに直接載せてO字、S字走行してまた元あった場所に戻す。一定間隔に置かれたパイロンの間を、フォークリフトの車体(横幅)以上に長い鉄骨をツメに乗せてスムーズにS字走行するのには結構テクニックが必要でした。
←重量物(高層ビルでおなじみのいわゆる鉄骨です)
※ 試験の時に使う重量物はこれではありません。パレットに収まる小さなものです。ご安心を…。(´∀`) |
車体の横幅より長い重量物なので、爪を荷の重心に挿さないとバランスが悪くて走れない。荷を拾うときに神経を使った。素人に荷のセンターが分かるわけもないので、チョークで「フォークをここに刺しなさいよ」というマークが書いてある。何とかセンターに挿して持ち上げ、走行。かなりの重量なので一回正確にフォークを挿してしまえばかえってバランスがよく、走行は楽しい。最後に荷を置くのだが、きちんと置かないと次の人がやりづらくなるので、気をつかって慎重に置いた。
突然ふと思った。
「俺、普通にフォーク運転できてるじゃん…遅いけど…」。
前の会社でツメの平行の出し方が分からずパレットにツメがまともに刺さらなかった俺が、である。
教習所では爪の平行の出し方(ティルトレバー(B)でやるやつね)も教えてくれる。私はこれの為に教習料金を払ったようなものかもしれない。それ以外にもいろいろ基本を教えてくれたけど……。ツメの高さは荷物を積んでいないときはいいが、見えない場合はマスト付近のチェーンやシリンダでもある程度推測できるし、平行はマスト上部の出っ張り(名称不明の為、右図参照※)で判断できる。感覚をつかむまでは、運転席の右側から何度も身を乗り出して、パレットや荷の状態で確認しましょう。
マスト上部の出っ張りはブラケットと言うそうです。情報を頂きました。m(_ _)m |
またこの以外にも変わった形のパレット(同じグループの人に聞いたら金型を乗せるのに使うものらしい)の積み上げなどもやった。が、結局自分まで回らず終了。(雨も降ってきたので早めに終わった)
←変わった形のパレット(ポストパレットというらしい) 支柱が4本あり、積み重ねて使う。支柱の足の部分がオワンをひっくり返した形になっていて、重ねて載せる時に下にあるパレットの支柱にはまりやすくなっている。 |
まあ、職場では使わないだろうと勝手に決めつけ、さっさと帰り支度をして帰った。
また、かなり早く到着、それでもいつも2番手だ。もっと遠くから早い時間に起きて通っている人がいるに違いない。ちょっと寝たふり(緊張して寝れない(´ー`))を車の中でしてみたりして時間を潰す。今日は試験内容そのままの実習だと前日聞いていたので少し初心を取り戻して緊張していた。コースも聞いたとおりにもう出来ていた。暇なのでコースをうろつく。コースの道幅の白線も広く感じる。これはいけると感じた。(というより、いかなくては実費の3万円が…)実は私はコースについて少し勘違いをしていた。もっと簡単なコースを前もってネット上で知り、それが試験コースだと完全に思いこんでいたのだ。実際には下図だった。でも思っていたものよりコースが長いのでかえって多少失敗しても体勢を立て直しやすいだろうと前向きに考えることにした。(そう考えざるをえなかったのかもしれない(´ー`))
注:このコースはどの教習所も一緒かと思っていたのですが、実際には違いました。左図のコースはもっとも基本的な形のコースのようです。教習でもらった教本の法令ページによると、左図のコースをAとBのスタート地点を除き、横に3分割し、それを組み合わせて試験コースを教習所サイドで作れるとのこと。設定にかなり自由度があるようだが、実際には試験時間や教習所の広さやA地点から始めてもB地点から始めても同じ試験内容にならなければいけない、などの制約があるため、このようなコースの教習所も存在するようです。最初に左折するか右折するかの違いなんだけどね。 ※ 教習機関の試験コースは、事前にGoogleマップの航空写真の画像で分かる場合があります(ただし画像が古い場合もあるので参考程度に見ておいたほうがよいかも) →たとえばこの教習機関とか、こことか。 |
AからスタートしてもBからスタートしても同じ動作が可能なコースである。(図はちょっとゆがんでるけど(´ー`))
C(D)には台がありその上に重量物を乗せたパレットが置いてあります。コーナー(図中の小文字アルファベット)には(パイロン)がおいてあり、接触すると減点対象です。
上から…
重量物(w パレット 台 |
|
実技試験の採点は、減点式採点方法により行います。100点から1ミスごとにミスの種類に応じた点数を減点されていきます。70点以上で合格です。(一番大きい減点が5点で、コース脱輪や障害物への接触等です。他の細かいミスも3点や2点の減点ですからよほど危ない運転をして試験中止にでもならない限り、まず不合格ということはないでしょう。それから、気になる試験の時間制限ですが、これも熟練者の平均所要時間(5分くらいに設定してあると思います)の2倍以上の時間を経過すると3点だけ減点されます。たった3点ですよ(´ー`)。それ以後30秒経過毎に2点減点されていきますが、おそらく10分以上かけて試験するほうがかえって難しいと思いますので、ゆっくり慎重に安全を意識して運転しましょうね。(´ー`)でもちょっと慣れるとタイム競い出すんですよね。人間の悲しいサガですな…)
A地点スタート組とB地点スタート組に別れて、
これをA地点スタート組とB地点スタート組で交互に繰り返す。まあ、どちらからスタートすることになってもハンドルなどの操作は全く変わらないわけだが……。
あなたがAスタート組かBスタート組になるかは神のみぞ知る(?)
A地点からスタートしたとして解説(B地点スタートも操縦手順は全く同じ)
また、これらの操作の他に下記も必ずやらなくてはなりません。荷を拾った後や置いた後に走行する場合のツメの角度や高さなども操作して調整しなくてはなりません。
フォークの周りを一周(安全確認)→フォークに乗る→前進→eコーナーを曲がるので車体を気持ち左側によせておく→eコーナー左折→Cの荷物を二段取りで拾う→そのまま後進しながらeコーナーを曲がりA方向まで後進→Aまでは行かず体勢を立て直したら停車→g-hコーナーに向けて前進(やっとアクセルの出番…かな…)→g-h、i-jコーナーを抜けて前進(コーナーは無理せず減速しよう)→kコーナーを曲がるので気持ち車体を右よせ→kコーナーを右折→Dに二段置きで荷を置く→後進してlコーナーを曲がる→そのまま後進してBへ→白線を越えて車体の中央が、通路中央になるように停車→フォークを降りる
後進とあるのは、バック走行です。
荷役(にやく)※9は2回フォークを刺す方法で行いました。実際の業務でもトラックからの荷下ろし時など荷物の乗ったパレットが荷台の奥にあってフォークの爪が充分に届かない場合によく使うテクニックのようです。パレットにツメを一度で刺さず、根元を少し残して刺し、リフトして後進(バック)し、荷を少し手前に引き出して一旦荷台の上に下ろし、次の前進の時にツメの根元まで完全に刺すという方法です。これも講習内容に入っているとのことでした。逆に荷を下ろすときは荷を台の上の少し手前に置き、一度後進(バック)して、爪の根元を少し残してリフトし、そのまま前進しすると通常より荷物を荷台の奥に乗せることが出来ます。実際の試験では一度にフォークをパレットの奥まで刺せてしまいますがこの方法で行うことを求められます。また、この作業は爪をパレットの奥まで挿さないため、あまり爪の先端に荷物を載せると重心が悪くなり危険です。学科の時にも教習すると思いますが、荷役の時は絶えず重心を考えながら作業しましょう。(私も不安な一人ですが…)
※9 フォークでの荷物の取り置きなどの作業のこと
平行の出し方と走行時のコーナーでのフォークリフト独特な曲がり方を「だいたい」理解した私にはこのコースは結構楽だった。S字やバック走行よりもやさしく感じた。思い返すと前の会社ではツメの操作は我流だが結構やっていた。平行がいくらやっても出ず(カンでやってるんだからあたりまえ)フォークがパレットに刺さらなかったし抜けなかったが(ToT)
そんなわけでバックS字走行はグループ中でも下手なほうだったが、この教習に入るとなぜか急に私はうまい人になってしまった。みんな焦ってボンミスを連発していた。試験に落ちそうな程ひどい人は1人もいなかったが…。
教官も、
「ここのグループは優秀だなぁ。毎回1人か2人は落ちこぼれがでるんだけどなぁ」とつぶやいていた。
「ふふ。少しでも会社で乗ってなかったら、俺がそれになってたよ。」と心の中で思っていた。(´ー`)
現に隣のグループでは年齢のためか、運転の上達が遅れ途中で断念してかえった人もいたようであった。残った人もパイロンをぶっつぶしてそのまま走行(怖い!)したり意味不明にアクセルをふかしたり(怖いからやめてくれ!)、バックして右か左か分からずとんでもない方向に走行している人もいて教官に怒られていた。
多分その人達も免許※10はもらえなかっただろう。まあ、教習所では安全な運転ができるように教えて送り出すという立場だから、安全の為に教官が言ったことを守らないと免許はもらえない。パイロンを少し踏む程度はだれにでもあり得るのだから、戻ってハンドルを切り直せばいいのだが…。そのままつっこむとは。パイロンが人だったらと思うと…。教科書的な教習内容にそのまま賛成するわけじゃないけど「こちらもある程度やることはやらんとね。」と思った。
教習の後半で時間を測定し始め、体調も悪く疲れていたので緊張も解け、(いいのかわからんが)リラックスしてやったら自分でも驚くほどのタイムがでてびっくりした。タイムを取っていた人も驚いていた。(^○^)この頃にはもうギアの操作など昔の感覚が(昔もそれほど乗ってはいないが(´ー`))戻ったのか、自然に手が動くようになっていた。みんながギアの操作にアタフタしている中で俺一人スコンスコンとギアを入れてクイクイとツメの操作レバーを操作して運転してる。(しばしの優越感に浸った。これは後日消え去る(´ー`)。バカで小物ほどすぐに天狗になるものだ。)
とにかく、いい気分でこの日は終わる。
後一日でやっと終わる。体調的に限界が来ていた。気を張っていたのでこのときは気が付かなかったのだが、次の週に風邪がぶりっかえし、最悪の体調になることをこのときはまだ知らなかった。(´ー`)
※10 正確には免許ではないが一般的には免許と呼称することが多い
試験日当日。ドキドキする。相変わらず体調は決して良いとは言えない状態。前日わりといい気分だったので「さっさと試験を終わらせて帰りたいな」などと生意気なことを思いながら試験前の最後の練習を始める。テストコースの通路の幅が広く感じる(気のせい)。「フォークの車幅に慣れたな…」と一人で納得したりする。試験の前の数時間、昨日と同じ(試験コース)を練習する。風邪のせいで寒気が襲ってきて、頭がボーっとしたりしてギアを入れ間違えたり、かえって集中力が失せそうだったので、教官に風邪気味であることを告げ、了承を得て一回だけ自分の番の練習をパスさせてもらった。基本は野外であるが、近くに待機できる建物がありそこにはストーブがガンガンたかれていたのだ。でも、出入り口が大きいので建物の中全体が暖かいわけではない。ストーブに張り付いて試験を待った。みんなが運転しているのをボーっとみていてちょっとビックリした。
「みんな、うまくなってる……」
「昨日はあんなに下手っぴだったのに……」
「ギアもスコンスコン入れてる!(´ー`)レバーをつかんで入れるのではなくひっぱたく様な感じが……イイ!」
テストコースのタイムが取られ、一覧表をみてみるとグループ全員が4、5分ぐらいに収束。
「なんだ、結局みんな同レベルじゃんか……」
俺の一日天下……短かった。(ToT)
きっとみんなくやしくて寝る前に脳内運転シミュレーションでもしたのだろう。
そんなこんなで試験突入。我々のグループはみんなまともな運転だったので教官もろくに見ていない。実際にはおさえるとこはおさえていたのかもしれないが、とにかく落ち着いていつも通り出来た。
大きな失敗もなく終了。
「やったー!合格だ!」
既にかなり前にできあがっていたと思われる、ラミネートされた「技能講習修了証」カードをもらい帰路につく。取得したうれしさも多少はあったが、やっと5時起きしなくてすむという安心感の方がずっと大きかった(´ー`)やっぱりだめ人間だ。もしかしたら、フォークで飯が食えるんじゃないかという甘い考えが浮かんできたが、すぐ我にかえった。何かの役に立つかもしれない。そのぐらいのもんだとおもう。無駄な事などないだろう。
これだけおさえとけば多少の実務経験があればまず問題なく合格でしょう。
あと、学科講習でも習いますが、フォークリフトの場合、後輪で舵取り(普通自動車の逆です)をするため、運転感覚が普通自動車と大きく違って来ます。
←フォークリフトは、この様に後輪が左右に動いて舵取りします。普通自動車の運転に慣れていると最初違和感があります。
広い場所で運転する時はどうでもいいのですが、場所が狭いところでカーブをすると、お尻が大きくふくらんでぶつけてしまう可能性があります。この辺も経験で学ぶしかありませんね。コツは、曲がる方向(前進後進問わず)にあらかじめ少し車体をよせておくということでしょうか。極端に言えば、前輪の左右どっちか片方を中心にしてグルングルン回るという感じです。
例えばこのような場合、フォークリフトは車輪Aを軸にして回りますので、なるべく曲がる方向(車輪Aの壁面)に車体をよせて図のような角度(気持ちハンドルをきっておく)でコーナーに進入し前輪の中心ぐらいがカドまで来たらハンドルをいっぱいまで左にきります。で、少しハンドルを戻しながら旋回し、フォークが行きたい方向に対して正面を向いたら急いで完全にハンドルを戻します。これが、例えば普通自動車の感覚でBの壁面に車体をよせて曲がろうとすると、フォークはお尻がふくらんで曲がるので、車体C部が壁をこすります(教習所の場合は車輪がコースの白線を踏みます) まあ、教習所のテストコースは道幅がわりと広めに取ってあるので真ん中よりあまり外側にずれなければ脱輪はないと思いますが…。 後進の場合も同様です、要するに単純に前輪を軸にコーナー回ると思えば上達の助けになると思われます。 図がちょっと適切でないかもしれませんが、言いたいことは伝わったと思いますのでご勘弁を…。 |
↓フォークリフトのコーナーでの挙動↓ 挙動がちょっとアレ(´ー` )かもしれませんが、普通自動車のバックでの車庫入れを思い浮かべて下さい。あれがフォークの前進走行でのコーナリングです。普通自動車なら前進時にこんなコーナリング出来ませんよね。ホイールべース(前輪と後輪の間隔)が狭く普通自動車よりかなり小回りが利くので、その点では操作は楽だと思います。童心に返ってこのおもちゃで戯れてからいくと意外に車両感覚がつかめるかも(?) |
講習を修了後にフォークリフトをバリバリ使用する職場に就職してみましたが、とても昨日今日取った人間が勤まる場所ではありませんでした。教習所のノロノロ運転&教科書通りの慎重運転では実戦では無理です。浮きまくりです。あなたが運転に自信がなく、でもどうしてもフォークの仕事に就きたい場合、軽めの仕事から就くことをおすすめします。あなたが、バリバリに若ければ別ですが…。(´ー`)
こちらの「フォークリフト免許」の記事もお見逃しなく。
別の「免許」の記事を読む。
フォークリフトの資格が活かせるお仕事は、こちら。
この記事は2004年(3月頃)に公開され、その後改訂を重ねて現在に至ります。